3:名無しNIPPER[sage saga]
2022/04/21(木) 22:57:18.20 ID:BSUjMIrdO
「正しいと思う?」
「さあ。わかんねえよ」
そも正しさとはなんだろう。それを求めて。
「でもさ、黒猫。これだけは言える」
わからないと言った京介は確信を口にした。
「間違いなく、間違ってはいないさ」
わからない。余計に私は困惑して反論した。
「間違ってるわよ」
「間違ってねえよ」
むきになった様子はなく、諭すような口調。
「根拠はあるの?」
「んなもんねえよ」
一笑に付された。わからない。意地を張る。
「間違ってるわよ」
「間違ってねえよ」
京介も意地を張る。けど彼は私より大人で。
「その代わり、正しくもない」
「なによそれ。どっちなのよ」
逃げ道を作ったにしては妙だ。救いがない。
「さあ? どっちなんだろうな」
まるで面白がるかのような眼差しがくすぐったくて、私は揶揄われているのだと悟った。
彼の目を見て、何も言えず私は続きを促す。
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