2:名無しNIPPER[sage saga]
2022/04/21(木) 22:55:42.09 ID:BSUjMIrdO
「よう。待ったか?」
考えたってわからないから私は彼を待った。
昼下がりの午後。夜の眷属を容赦なく焼き尽くす日差しに耐えながらひたすらに闇雲に。
「日に焼けてしまったわ」
「良かったじゃねえか」
ひりつく二の腕をさすりながら文句を口にすると彼は悪びれずに笑った。人の気も知らないでそっと背中に手を添えて日陰を目指す。
「ここなら日に焼けないだろ」
優しくされてどんな顔をすればいいかしら。
「で? 俺になんの用だ?」
「これを読んでみて頂戴」
単刀直入な彼に新作小説の原稿を手渡した。
私にしては短編だ。もちろん設定資料集もなし。立ち読みも苦にならないよう配慮した。
「ふうん……なるほどな」
その反応はどういう意味なの。わからない。
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