豊川風花「140日に1度のチャンス」
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31: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 14:09:42.63 ID:sRuakiC/0
 と、そうは言っても、もしプロデューサーさんが「明日はホラー映画を見に行くぞ」と意気揚々と宣言していたとしたら、私はどうしていただろうか。
 ホラー映画なら結構です、と断っただろうか?
 断った?
 140日に1度のチャンスを?
 それは考えにくい。
以下略 AAS



32: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 14:10:26.57 ID:sRuakiC/0
 そうこうしていると、再生されているパラノーマル・アクティビティは例のシーン……にさしかかる。

風花「あ……」

 私は自分の右手を、左手で思わずつよく握る。
以下略 AAS



33: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 14:11:23.22 ID:sRuakiC/0

このみ「そんな早い時間に帰ってきたの!? な、なにやってるのよ風花ちゃん!!」

 翌日、私はこのみさん莉緒さん歌織さんに取り囲まれると、昨日はどうだったのかと聞かれ、問われるままに答えた結果のこのみさんのリアクションがこれだった。
 ちなみに莉緒さんはなぜか少し首を傾げ、歌織ちゃんもなぜかホッとした表情を見せる。
以下略 AAS



34: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 14:11:57.49 ID:sRuakiC/0
風花「き、昨日が実質初めて2人だけで過ごしたプライベートだったんですよ? いきなりそんな、ね、ねえ」

歌織「ううん」

風花「え?」
以下略 AAS



35: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 14:15:25.56 ID:sRuakiC/0

歌織「プロデューサーさん、次は私にも時間を取っていただけませんか?」

 その日の午後、歌織さんはプロデューサーさんにそう言った。
 側には私もいるのだが、歌織さんは臆していない。
以下略 AAS



36: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 14:16:35.34 ID:sRuakiC/0

 そこからの3週間近く、私は悶々とした思いで過ごすことになった。
 歌織さんは、本当にその日にすべてを決めてしまうのだろうか。
 そもそも2人でどこに行き、なにをするのだろうか。
 そうしたことが千々に頭を巡り、私の胸を痛める。
以下略 AAS



37: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 14:17:32.68 ID:sRuakiC/0
このみ「早く寝れば、早く起きられるの? 歌織ちゃんは」

歌織「それは……そうでもないんですけど、やらないよりは……と」

莉緒「睡眠は量よりも質、って聞いたことがあるんだけど」
以下略 AAS



38: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 14:18:24.15 ID:sRuakiC/0
歌織「今、寝起きの私は子供っぽいって思って笑ったでしょ?」

風花「そ、そんなことは……」

歌織「違うの?」
以下略 AAS



39: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 14:21:36.09 ID:sRuakiC/0
このみ「そうね。そうすると風花ちゃんは、結果はともかくまあまあの選択だったわよね」

風花「え?」

莉緒「映画だったのよね? 2人並んで座って同じ時を共有……周りは暗いしあまり気にされない。なるほど、理想的かも知れないわね!」
以下略 AAS



40: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 14:22:32.77 ID:sRuakiC/0
このみ「それは……どうなのかしらね。プロデューサー気後れとかしないかしら」

歌織「まあ、そういうものなんですか?」

莉緒「左ハンドルでしょ? プロデューサーくん、運転とかしたことなさそうだから、歌織ちゃんばっかり運転することになるんじゃない?」
以下略 AAS



41: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 14:23:30.60 ID:sRuakiC/0
 歌織さんはライバルだし、明日は彼女のターンなわけだが敵愾心というものを不思議なぐらい、私は持てないでいる。
 こうして大人組のみんなで集まって飲みながら、わいわいと話すのはやはり楽しいし、女同士の友情も感じる。
 そう、私もわかった。
 この恋に敗れるなら、プロデューサーさんが誰かを選ぶなら、たとえそれが自分でなくてもこの中の誰かであって欲しい。

以下略 AAS



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