26: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 14:02:24.60 ID:sRuakiC/0
二階堂千鶴「風花ではございませんこと?」
風花「あ、千鶴ちゃん。どうしてここへ?」
千鶴「先日わたくしのCDが発売になりましたでしょう? それで、どのぐらい売れているのかをちょっと見に……ま、まあ当然完売しておりましてよ。おーっほっほ……げほごほ」
27: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 14:03:57.17 ID:sRuakiC/0
千鶴「こちらのお店、手広い量販店ではありますが、それだけお値段には融通がききませんのよ!」
風花「そ、そうなんだ」
千鶴「それって最新作なんですの?」
28: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 14:05:10.91 ID:sRuakiC/0
千鶴「た、たたた、大切なのは本質ですわ! どこで買うのかではなく、良い物を買うべきなんですのよ!! ええ!!!」
風花「そうか。なるほど、そうよね」
千鶴「ええ! ……と、DVDならこちらのお店でしてよ」
29: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 14:07:00.43 ID:sRuakiC/0
店長「ふむ。探してるのはどんなヤツ?」
風花「たぶんですけど、一番最初の映画だと思います」
店長「無印か」
30: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 14:07:42.39 ID:sRuakiC/0
そんなに安いの!?
驚く私だが、千鶴ちゃんは更に交渉をしようとし始める。
千鶴「初めてのお客さんなのよ? ここは半額とかにサービスしておくべきじゃないの?」
31: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 14:09:42.63 ID:sRuakiC/0
と、そうは言っても、もしプロデューサーさんが「明日はホラー映画を見に行くぞ」と意気揚々と宣言していたとしたら、私はどうしていただろうか。
ホラー映画なら結構です、と断っただろうか?
断った?
140日に1度のチャンスを?
それは考えにくい。
32: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 14:10:26.57 ID:sRuakiC/0
そうこうしていると、再生されているパラノーマル・アクティビティは例のシーン……にさしかかる。
風花「あ……」
私は自分の右手を、左手で思わずつよく握る。
33: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 14:11:23.22 ID:sRuakiC/0
このみ「そんな早い時間に帰ってきたの!? な、なにやってるのよ風花ちゃん!!」
翌日、私はこのみさん莉緒さん歌織さんに取り囲まれると、昨日はどうだったのかと聞かれ、問われるままに答えた結果のこのみさんのリアクションがこれだった。
ちなみに莉緒さんはなぜか少し首を傾げ、歌織ちゃんもなぜかホッとした表情を見せる。
34: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 14:11:57.49 ID:sRuakiC/0
風花「き、昨日が実質初めて2人だけで過ごしたプライベートだったんですよ? いきなりそんな、ね、ねえ」
歌織「ううん」
風花「え?」
35: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 14:15:25.56 ID:sRuakiC/0
歌織「プロデューサーさん、次は私にも時間を取っていただけませんか?」
その日の午後、歌織さんはプロデューサーさんにそう言った。
側には私もいるのだが、歌織さんは臆していない。
36: ◆hhWakiPNok[saga]
2022/04/09(土) 14:16:35.34 ID:sRuakiC/0
そこからの3週間近く、私は悶々とした思いで過ごすことになった。
歌織さんは、本当にその日にすべてを決めてしまうのだろうか。
そもそも2人でどこに行き、なにをするのだろうか。
そうしたことが千々に頭を巡り、私の胸を痛める。
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