安価でSSを書かせて頂きます
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16:名無しNIPPER[saga]
2022/04/08(金) 19:08:38.50 ID:K7oSWg9M0
スマートフォンのホーム画面、そのステータスバーを見る。
(8月9日……。)
立秋、暑くもなければ寒くもない、過ごしやすい秋の日々を指し示している。
しかしこれは“今日だった”はずだ。
そこで蘭子は自身が極度の混乱状態に陥っていることを自覚した。
遡って考えてみれば、蘭子が“おぞましい悪夢”として遇したあの死と絶望の感覚は、果たして幻想の産物で済ませられるものなのだろうか。
蘭子はつい先ほどのように、ありありと、手で肩を掴まれるあのおそろしい握力を、首筋に牙が突き刺さる激痛を、思い起こすことができるのだから。
夢とはフロイトの時代から現代に至るまで、原則、感じたり、触ったりできるものではないとされる。
夢である範囲は見たり、移動したり、動けなくなったりが精々で、それは断じて、苦痛を伴うものではない。
蘭子は、精神病なのだな、と思った。
蘭子はおのれが既に通院が必要な段階にまで病状が進行していることを悟った。


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