タツマキ「私もアンタが好きよ」サイタマ「ハゲてて良かったな」
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5:名無しNIPPER[sage saga]
2022/04/05(火) 22:26:42.47 ID:4BypDZP4O
「さて、冗談はさておき飯にすっか」

男臭い炒め物を並べる父親に子供が耳打ち。

「お父さん、先にお風呂入ってもいい?」
「なんだ、せっかく作ったのに」
「さっき力んだら漏れちゃったんだもん」
「フハッ!」

カレーじゃなくて良かったとほっとした。

「ふんっ……間違いなく、アンタの子ね」
「フハハハハハハハハハハハッ!!!!」

怪人ハゲマントは嗤う。高らかに。邪悪に。

「いつかきっと私たちは退治されるわね」
「ふぅ……もしもそうなったら、本望だ」

いつの世も子供は大人を超えていくもので、いつかは負ける。それでも簡単に超えられたらつまらないので立ちはだかる。たとえ怪人と呼ばれようとも。悪党と呼ばれようとも。

「あの子は私に従わないそうよ」
「そうか。ちなみに理由は?」
「私たちが大好きだからだそうよ」
「へえ……だったら、オレの頭を馬鹿にしたクソガキに感謝しないとな」

好きなものを貶された際の憤りとは、好意に他ならない。普段は素直に出せない感情だ。
好きという感情を引き出すことは難しいけれど、大好きなものを馬鹿にされた瞬間、簡単に出せる。あの子も、そして私も。簡単に。

「私もアンタが好きよ」
「ハゲてて良かったな」

お風呂に向かった子供に隠れてキスをした。


【ウンパンマン 9撃目】


FIN


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