304:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:43:50.85 ID:XVB8s0iW0
魔帝を倒したとはいえ、世はいまだ脅威に溢れている。
覇王や、その他にも恐るべき強者は多くいる。
それらを排除できたとしても、魔界自体が暴虐と闘争のゆりかごであり、
新たな脅威は未来永劫に現れ得る。
それに天界と人間界、主神派と賢者と魔女らも、今は協調しながらも、
潜在的には解消が難しい対立を抱えている。
その中でスパーダとエヴァのような者が、武力や才能、
そして何よりも献身の心を捨て去るなど、困難と言うほかなかった。
世の災厄を無視して、守れる存在を見捨てて、戦いから離れるなんて。
だが現実がどうであろうと、それを重々理解していようとも、
スパーダは望みを捨てられなかった。
なぜなら愛しているから。
不可能であろうと、愛する人と一緒になりたいという願望は消えない。
抑制はできても、その夢は捨てられない。
ささやかな希望をこめて、スパーダは別れを告げた。
「さようなら、愛する人よ。また巡り逢える日まで」
そうして二人は手を離し、
別々の人生を歩み始めていった。
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