298:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:39:59.63 ID:XVB8s0iW0
スパーダは具体的に、三つの要望を出した。
まず一つ目は、彼が人間界に住まうことの許可。
二つ目は、エヴァがアンブラ族から抜けることの許可。
そして三つ目は、スパーダとエヴァが共に暮らすことの許可。
これらはエヴァの希望でもあった。
それらを聞いた天・人側は、やはり最初は難色を示した。
まずスパーダの人間界定住は、
魔帝を超えうる彼の武力がやはり問題であった。
いくら彼にその気がないと言えども、侵犯者である以上は
論ずるまでもなく天・人側にとって最大級の脅威である。
スパーダの魂そのものが武力の塊であるため、
武装解除を条件に定住、というのも困難。
特に賢者と魔女は「同居人」として、
常に喉元に刃が突きつけられるも同然の状況を
受け入れなければならない。
だが一方で、スパーダを人間界に置く利点もいくつかあった。
まず武装解除は叶わずとも、スパーダの行動の制限や
監視を条件付けることは可能という点である。
この点について、特に魔女と賢者が
その常時監視下にできることは有益だと考えた。
これはかつて、スパーダの行方を長らく捉えきれず、
そのうえヴィグリッドに潜入された前例がある故の考えだった。
「野放し」にして再び見失うことこそ危険では、と。
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