ダンテ「学園都市か」前時代史(仮)
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296:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:38:57.52 ID:XVB8s0iW0

ただ、スパーダが非難されることはなかった。
「時の腕輪」は即席品とはいえ、そこに用いられた対創造用の式は
この時点における賢者・魔女の技術の粋を集めたものである。
しかしそれでも創造の完全打破が不可能だった以上、
封印こそが現時点における唯一の方法であることに
否定の余地はなかった。

加えて天・人側に一切損害なく勝利が成し遂げられたのである。
これは彼らにとって想定外なほどの喜ぶべき結果であり、
スパーダの貢献もまた否定しようがなかった。
それゆえ、天・人側はひとまず彼の功績を認めざるを得ず、
四元徳や魔女・賢者の長老たちは
冷ややかながらも賞賛と謝意を述べた。

そして次に問うた。
我々に何を要求するのか、と。
天・人側は対話を続ける意思を示したが、
この会合を「スパーダからの取引」とも見ていた。

すなわちスパーダの功績は認めつつも、
彼そのものを受け入れたわけではない。
勝利を材料にして何かを要求してくるはず、というこの捉え方が、
「悪魔たるスパーダ」への拭いきれない疑念を示していた。

とはいえ、この態度もスパーダ自身の過去の所業ゆえのもの。
「人の心を持つスパーダ」にとって
この彼らの反応はやはり悲しいものだったが、
それでもスパーダの話を聞こうとする彼らの譲歩には
彼はむしろ救いの念をも抱いた。

そして彼らの譲歩を利用し、
今まさに「取引」しようとしている己にも嫌悪を抱いた。
実のところ、天・人側のその穿った見方はある点で正しかった。
スパーダ側も「要求はない」と言えば嘘だったからである。



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