275:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:26:24.01 ID:XVB8s0iW0
エヴァはすぐに創造を破るための準備にとりかかった。
とはいえ、彼女は対創造器機の試作経験があったとはいえ、
それは同じく天才的な大勢の研究仲間と
最高の設備がそろった環境でこそ成しえたもの。
一方で今はたった一人でろくな設備もない。
くわえて時間も乏しかった。
ヴィグリッドで何があったのか、そしてスパーダが何を示したのか、
それらは確実に魔帝の耳にも届き、
激怒した帝王が数日中に動きだすのは明白だった。
これら環境では、いくら才女エヴァとはいえ作業は難しかった。
そこで彼女は、自身が記憶していた対創造用の試作器のうち、
もっとも製造が簡単なものを参考にした。
それは魔女の得意分野である時空干渉術に
OMNEたる「時の記憶」理論をそっくりそのまま組み込んだだけのもの。
そしてアンブラでは、とある理由で実運用は困難と判断されていたものでもある。
まずあまりに効果が強すぎるため、制御不能に陥る危険性があり、
くわえて創造を破るほどの効果を出力させると
抑制が効かずに使用者にも大変な負荷をもたらす代物だった。
そもそも製造が比較的簡単なのも、
制御用の式や使用者への防護策が一切含まれていないからである。
とはいえ、今はそれらは問題にはならなかった。
力を式で制御する賢者・魔女にとっては相性が悪い代物だったが、
力を力で強引に制御する純魔、さらには侵犯者たるスパーダならば、
この負荷にも耐えられると考えられたからである。
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