ダンテ「学園都市か」前時代史(仮)
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238:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:04:35.21 ID:XVB8s0iW0

ロキ捜索が完全に暗礁に乗り上げていたこともあって、
スパーダは人間研究により没頭していった。

入念に観察し、「検体」を採取し、実験を繰りかえして精査し、
人間についての理解を日々深めていった。
その研究方法は、「検体」として扱われた人間からすれば
想像を絶するほど凄惨でおぞましい所業であったが、
当時のスパーダはもちろん一切気に留めていなかった。

そうして人間の生物学的側面のみならず、
彼らの精神世界を構築する思考や信仰、欲望、感情、
そして「道徳」や「慈愛」という魔族にとって無価値といえる分野まで、
ありとあらゆるものを調べあげ、
仕上げに自ら現場体験することでより理解を深めた。

こういった研究の当初、スパーダがこの人間世界に抱いた印象は
ひどく否定的なものだった。
闘争と暴虐もあれば、調和と慈愛も含む人間世界。
その矛盾溢れる様相は、
「悪魔の中の悪魔」「闘争の象徴」と謳われるほど突き抜けていたスパーダには
苛立たしいほど散漫で濁った世界に見えたのである。

しかし人間の視点に立ち、体験し、学ぶことで
その認識は徐々に変わることとなった。



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