ダンテ「学園都市か」前時代史(仮)
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22:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:23:02.08 ID:XVB8s0iW0
魔族にとってはクイーンシバこそが
オリジナルたるOMNEの正統継承者にして全ての創造主であり、
それゆえ正統を「騙る」ジュベレウス打倒は聖戦に等しく、
その力もクイーンシバに還すべき断片でしかなかった。

そもそもの原初世界群も始まりは闇である、それが彼らの世界観であり、
ゆえに全てを闇に帰すべし、これが彼らの道理であった。

ただし、そのような大義を本心から抱いて戦っていた魔族は
ほとんど存在しなかった。

『全てを闇へ回帰させる』『魔族の栄光のため』などと本気で考える者はまずいなかった。
なぜなら魔族は奉仕や献身といった精神性が欠落しており、
彼らの行動は常に個としての闘争と暴虐の欲求を源としていたからである。

これら欲求は凄まじく、彼らは死の危険を悟るや
その「己に死を与えるほどの武力」に惹かれて
しばしば自ら死地にとびこんだ。
彼らも生命体である以上「死」は根源的恐怖ではあったものの、
他生命圏の者達とは異なり、同時に最大級の誘惑でもあった。

この狂戦士的な種族にとって、
ジュベレウス率いる強大な軍勢との戦争はまさに最高の糧であった。
過酷な戦乱が続いても魔族が疲弊することはなく、
むしろ逆に力の増幅現象を重ねて勢いを増していったのである。


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