ダンテ「学園都市か」前時代史(仮)
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211:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 12:48:08.74 ID:XVB8s0iW0

そもそもジュベレウス、クイーンシバ、
そしてもっとも強大なるエーシルすらも、
原初OMNEからは『創造』の力を引き継げなかった。

だがその複製たる力を、魔帝は己の魂内にて生じさせたのである。
これは世界の著者のごとき視点からすれば、
原初OMNEの後継者として魔帝が設定されたかのごとき、
新たな『唯一にして永遠のOMNE』の種とも見なすことができた。

彼にはいわば、世界の主役となる「運命」を掴んでいた。
そしてこれから起こる戦争こそ、
その魔帝の役柄が開花にいたる転換点だった。

「果実」獲得により、すでに魔界を手中に。
次いで人間界も手中にすれば、
魔帝は「物語における主人公」の座をついに確立する。
この世界は「魔帝の覇道を描く物語」に確定し、
この三位一体世界は彼を中心にして流れ落ちていく。

しかもそのおぞましい「物語」は、人間側も気づかぬうちに
後押ししてしまう形にあった。
人間たちの集合意識こそが、
エーシルから受け継いだもっとも強き著者のごとき力を有していたために。

彼らが魔帝を恐れるほど、脅威とみなせばみなすほど、
現実もそう描かれる、その恐怖と脅威が本物となってしまう。
ゆえに、魔帝による人間界侵略が成し遂げられたら、
そうした人間たちの恐怖と絶望からなる「追認」によっても
世界は「魔帝の物語」だと裏付けられ、もはや修正は困難となる。

そもそも魔帝がかつて食した「果実」も
このような人間の著者のごとき力を結晶化させたもの同然である。
つまるところ魔帝が人間界を手中にするということは、
無数の「果実」を食すことと同じ、魔界のみならず、
三位一体世界全ての王になれるだけの莫大な量の「果実」を。



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