ダンテ「学園都市か」前時代史(仮)
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207:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 12:46:10.40 ID:XVB8s0iW0

『創造』を機能不全にしうる力は、
これまでに二つ知られていた。

エーシル=ロキの『無』、そして竜王の『混淆』である。

だが前者は保有者のロキごと行方不明。
後者も「式」の類をことごとく破壊するため、
相性的に魔女には容易に扱えない代物だった。

またそもそも、『混淆』はいまだに未知な部分が多く、
本格稼動させれば癒着している竜王の悪性も目覚めかねない。
有用ではあるが、危険を鑑みれば『混淆』利用は最後の手段であった。

それゆえ、魔女はまず第三の新たな方法を編みだそうとした。
だがその別案の研究開発は難航し、結局はすべて頓挫した。

OMNEたる『創造』を破壊できるほどの力となれば、
その破壊側も事実上OMNEの域なのである。
すなわちOMNEの力を人工的に作ってしまおうという試み同然であり、
こればかりは魔女の英知を結集させても難しかった。

こういった難航状況は賢者側でもほぼ同じであった。
彼らも『創造』を潰す方法を研究していたが、
魔女と同様に完全に停滞してしまっていた。

最大の要因は、やはりOMNEに関する知識の不足だった。
OMNEたる「世界の目」を有するとはいえ、後天的に与えられた者である以上、
魔女・賢者はOMNEの根源部分の原理がどうしても解明できなかった。
これは彼らの技術が及ばなかったわけではなく、
純粋にOMNE性質上で不可能だったためである。



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