ダンテ「学園都市か」前時代史(仮)
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146:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 12:13:48.27 ID:XVB8s0iW0

そこでセフィロトの樹には、
こうした「神々の子」の成長を抑制する機能が組みこまれた。
人間の霊的領域の力をすべて剥奪し、
神族の因子が目覚めないようにする、というものである。

これは副作用として、人間の大幅な弱体化をもたらした。
霊的な力を削がれ、物質領域に縛られることで
どれだけ魂や精神が強くても肉体は脆いままであり、
物理的な寿命で「早死」にし、
事故や病による些細な肉体の機能不全でも容易に死ぬ。
そんな、かつて魔神たちがいた「旧世界の人間」のごとき
脆弱な種へと変じてしまうことを意味していた。

人間の生死の循環が極端に早くなることで
混沌神族の因子が開花成長する時間を与えない、という点で
この副作用自体も神族復活の抑制に役立ったが、
人間側からすれば明らかに過大な代償であった。

それこそ人間という種全体を貶められたも同然だった。
エーシルの次子として本来有していた高次の力が奪われたのだから。
また、吸い上げられた力は天界へと流れてゆくため、
まさしく搾取とも看破でき、
人間界を新たな力の源ともする主神派の思惑も滲むもの。

まさにこれは大多数の人間にとって
紛うことなき奴隷の枷だった。
魔女や賢者など、一部では例外的措置(後述)で
こうした「搾取」を回避した者たちはいたものの、
総体としては人間は大きく弱体化し、
「強き人間」の時代は終わりを迎えたのである。

そして後世まで続く「弱き人間」の時代が始まることとなった。



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