ダンテ「学園都市か」前時代史(仮)
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126:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 01:17:17.98 ID:XVB8s0iW0

竜王が宿したOMNEの力は、
その性質から『混淆』と呼ばれた。
これはエーシル達オリジナルのOMNEとも、
侵犯者の複製品たるOMNEともいささか趣が異なっていた。

他のOMNEの力と違い、
『混淆』はそれ自体が強力な破壊をもたらすわけでも、
何かを創りだすわけでも、現実の定義を操るものでもなかった。

接触対象の霊的構造を「混淆」させる、ただそれだけだった。

OMNEの域ゆえに無条件で作用する、
と言えば強力にも聞こえるが、
実際には他者に直接的な危害を及ぼすことはできなかった。

霊的領域においては、もともと混淆が自然の状態だからである。
例えば魂は生命力の放出点であり、常に渦巻いて混淆しているため、
この『混淆』に触れられようとも何も変わらない。
この力は、生命にとっては基本的に無害だった。
しかし自然ではないもの、とくに霊的な人工物については逆であり、
これらに『混淆』は大きな効果があった。

そういったものは「自然ではない状態」を維持するうえで、
人工的な構造と秩序による抑制を必要としたからである。
これらにとって『混淆』の効果はまさに致命的であり、
構造が乱され、秩序が狂わされ、そして崩壊は免れなかった。

そしてこの作用には人間たち、とくに賢者と魔女は戦慄した。
賢者と魔女の武力を構築する『式』は、典型的な霊的人工物なのだから。



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