石動乃絵「フィラメントみたいに切れることはない」
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5:名無しNIPPER[sage saga]
2022/02/15(火) 23:23:34.17 ID:Uv7BXwyvO
「慎一郎の胸の中にも居る?」
「ああ……増えたり、減ったりしてる」
私とおんなじ。増えたり減ったり。点滅だ。
「私も発光ダイオードみたい?」
「ああ。乃絵はその……す、素敵だ」
それは精一杯の褒め言葉で。私は点灯する。
「眞一郎」
「なんだよ……乃絵」
「発光ダイオードは寿命がとても長いの」
いつまで輝き続けるのだろう。熱を持たず。
「フィラメントみたいに切れることはない」
ずっとずっと好きで。ずっとずっと苦しい。
「それでも私は、この輝きを大切にしたい」
「……そうか」
眞一郎は謝らなかった。その優しさが響く。
「ところで眞一郎」
「そろそろ帰るか?」
「実はいま私、お腹が発酵ダイオードなの」
「……そうか」
眞一郎は覚悟を決めた顔をしてぶつかった。
「実は俺もお腹の調子が発酵ダイオードだ」
「そう。奇遇ね」
「天空の食事を食い過ぎたかもな」
グミの実に整腸作用がある。そこが好きだ。
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