2:名無しNIPPER[sage saga]
2022/02/03(木) 23:30:58.12 ID:GA97p571O
「なんだい? 私は別に、君の面を食うつもりはないよ。面食いじゃあるまいし」
はっはっはーっ。と、臥煙伊豆子は笑った。
「えっと、怪異絡みの案件ですか……?」
「いんや。違うよ。君は何にも知らないね」
なんとなく、仕事で迎えに来たわけではないと察しはついていた。何故ならば、いつものダボダボした緩い服装ではなく、キャップも被っていなかったからだ。私服姿だろうか。
「いつもと感じが違いますね」
「おや、そうかい? 君がいつもの私を知っているとは驚きだ。どこで目撃したのかな?」
言われてみると、仕事以外で臥煙さんと鉢合わせた経験がなく、憶測で物を言っていた。
「すみません。印象が違っていたもので」
「謝らなくていいよ。色んな一面があるのが女だし、大人の女だからね。冥利に尽きる」
別に世辞を言ったつもりはないが、大人コーデの臥煙さんはご満悦で、腕を組んできた。
「あの、なんのつもりですか……?」
「こよみん、お姉さんとデートしよう」
「デート?」
「うん。映画デートに誘いに来たんだ」
要件は、映画に付き合えということらしい。
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