悪役令嬢「あんたはあたしみたいだね」腹黒王子「あはは。キミが僕なんだよ」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2022/01/02(日) 22:34:23.05 ID:nMXYXkpFO
「勘違いしやがって……ざけんじゃねーぞ」
「お?」
「ストーップ!!」

グイッとタイを引っ張ると王子が席を立ち。

「喧嘩はやめときなよ」
「別に……そんなんじゃないし」
「そう? なーんだ。それなら僕は口出ししないから、どうぞご自由に」

怖かった。コロコロ変わる表情。我々女子以上に腹の底が伺い知れない。"王子"ではなく"王"の一面。そしてたぶん、その感情の発露の起因は"独占欲"。家来とあたしが話してるのが気に入らなかったのだ。絶対そうだ。

「尊い……」
「ん? 何か言ったか?」
「ううん……ネクタイ、ごめんね」
「ああ。俺ねーちゃん居ていつも似たような扱いされてるから、だから気にすんなって」

優しい。やっぱり好きだ。家来には姉が居るらしい。羨ましい。王子サマとは幼馴染らしく小さい頃から仲良しだったようで、つまり家来のお姉さんは彼らが小さな頃から観察出来ていたわけで。是非、会ってお話したい。

「お姉さんのこと、紹介して」
「ねーちゃん? なんで?」
「なんとなく」
「またそれか。女ってその言葉好きだよな」

別に好きなわけではない。しかし打算や欲望をそのまま口に出す訳にはいかない。入学以来、彼ら"主従コンビ"は幾人もの女子から告白をされて、好きになった理由として『なんとなく』と言われてきたのだろう。無論、中には尤もらしい理由を考えて告白した同胞も居るかも知れないが本質的には本能に従ったまでなのでなんとなくという表現が正しい。


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