悪役令嬢「あんたはあたしみたいだね」腹黒王子「あはは。キミが僕なんだよ」
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3:名無しNIPPER
2022/01/02(日) 22:31:58.07 ID:nMXYXkpFO
「王子、今日もかっこかわいいね」
「ねー」

入学以来、毎朝毎朝、よそのクラスからも見学者が絶えない我がクラスの王子を横目で見やる。かっこいいかはともかく、かわいい。

「それでさー……」
「そうか」

彼は友達らしき男子生徒と談笑していて、その友達は王子と比べると華やかさには欠けるものの顔のパーツは整っており、所謂"隠れファン"(ガチ)が多いような奴で、あたしは勝手に家来と名づけている。王子の家来だから。

「ん?」
「なぁに? どったの?」

じっと観察していると家来と目が合った。立ち上がると彼の身長の高さが際立つ。元女子校の教室を進撃する巨人はあたしの机の前で立ち止まり不意にこんな耳打ちをしてきた。

「席、変わろうか?」
「っ……」

何を言ってるのかさっぱり理解出来ない。そんなことよりも耳が気持ち良かった。優しいバリトンが鼓膜を震わせて蕩けそうだった。
あたしはこいつが好きかも知れない。いや、好きなんだろう。それなのにこいつはあたしが王子を見つめていたと勘違いして余計な気を回したらしい。なんだそれは。許せない。


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