3: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/12/28(火) 06:16:38.44 ID:Om8/vz+U0
卯月「良いんですか! ありがとうございます!」
武内P「あの……あの……え?」
卯月「えへへ〜♪ 前から一度羽織ってみたかったんです。二人っきりでプロデューサーさんが脱いでくれたから、勇気を出してみました」
武内P(戸惑う私の声は、興奮した様子の島村さんには届きません。二回りも三回りも大きな上着を楽しそうに袖を通します)
卯月「うわぁ、おっきい! ぶっかぶかっ」
武内P「……っ」
武内P(制服の上から大きなスーツをまとった島村さんの姿は、これまでにないモノでした。スーツの丈は膝下にまで及び、袖は指先まで隠すほど余っています)
武内P(ブカブカの服――それも男物を着てはしゃぐ姿はぜひ次の撮影に活かしたいと思われるものです)
武内P(……ただしスーツは私の物なので、戸惑いが見入る事を許してくれません)
武内P「……島村さん。いいでしょうか?」
卯月「あ、プロデューサーさん! 羽織らせてもらってありがとうございます。これにはワケがあってですね」
武内P「はい」
卯月「小さな頃はよくパパの上着をぶかぶかさせて遊んでたんです。今でもパパの方が大きいんですけど、小さな頃のような差は無くなっちゃって。でも見てください! プロデューサーさんの上着ならこんなにぶかぶかになれます!」
武内P「なるほど……昔の思い出を再現してみたかったわけですね」
卯月「ここ数年は忘れていたんですけど、小梅ちゃんの余っている袖を見ていたら思い出しちゃったんです。あ、そうだ!」
武内P(何かを思いついた島村さんは、閃きのままに部屋の中を小走りで移動する。その先にあったモノを見て、すぐに彼女の考えがわかった)
武内P(――姿見。大きな鏡で今の自分を確認するつもりのようです)
卯月「――――あ」
武内P「……島村さん?」
武内P(鏡の前ではしゃぐ姿を想像していたため、呆然と立ち尽くす島村さんを不思議に思って声をかけます)
卯月「いや……あの、これって」
武内P「……?」
卯月「彼シャツ……みたいだなって」
武内P「ようやく……気づいていただけましたか」
卯月「ぷ、プロデューサーさん!? 気づいていたなら教えてくださいよ!」
武内P「私の口からは言い出しづらい内容だったので……」
卯月「そんな〜! 私こんな状態でプロデューサーさんの前ではしゃいでたんですか? う、ううぅ」
武内P「そ、そういうわけですので……そろそろ上着を脱ぎませんか? 他の人に見られたら妙な誤解を与えかねません」
卯月「……」
武内P「島村さん?」
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