武内P「島村さんとの距離が近いようなんです」
1- 20
10: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/12/28(火) 06:22:42.37 ID:Om8/vz+U0
武内P「その噂は初めて耳にしましたが……島村さんに来てもらって件と無関係ではありません」

卯月「……」

武内P「そういった噂が流れてしまうのは、私たちの距離がアイドルとプロデューサーとして不適切なまでに『迷惑……でしたか?』――島村さん?」

卯月「わ……私……楽しくって……プロデューサーさんと仲良くして……私のコトでプロデューサーさんが驚いたり慌てたりしてくれるのが……嬉しくって」

武内P「い、いえ! 決して迷惑などでは!」

卯月「でも……そうですよね? 私はアイドルで……アイドルを夢見て……それがようやく叶って……プロデューサーさんはそんな私の夢を支えてくれる……子どもを守る、大人ですもんね」

武内P「……」

卯月「今みたいな距離じゃ……プロデューサーさんに迷惑ですもんね?」

武内P「……っ」

武内P(これが正しい。これで良い。そうわかっているのに、そう決まっているのに――そんな事は無いと言い出そうとするこの口を、歯を食いしばって抑え込む)

卯月「明日から……こういった噂が流れないように、ちゃんと気をつけます」

武内P「……はい。そのようにしていただければ助かります」

卯月「でも……一つだけ、お願いがあるんです」

武内P「……お願い、ですか?」

武内P(噛みしめすぎてこめかみに覚える痛みと、それ以上の罪悪感に襲われている私にとって、そのお願いは救いに思えました)

武内P(お願いの内容が何なのかはわかりませんが、それを叶える事ができるのならば、この胸を締め付ける痛みが和らいでくれるかもしれません)

卯月「……待ってくれなくていいです」

武内P「……え?」

卯月「私が大人になる前に好きな人ができて、その人と想いが通じ合って付き合ってもいいです。その人と……結婚……しても……私は祝福します」

武内P(一つ一つの言葉を、断腸の思いのように紡いでいく姿はあまりに悲壮で――)

卯月「でも、もし……私が大人になって、アイドルを辞める時に――プロデューサーさんの隣に女の人がいなかったなら……私の話を、聞いてください」

武内P(――儚《はかな》くて美しく、私を息をのんで見守るしかできませんでした)

卯月「受け入れてくれなくていいです。ただ……聞いてください。今の私じゃ伝えても迷惑なだけな、この想いを」

武内P(その瞳から、一筋の涙がこぼれ落ちた)

卯月「私がお願いしたいコトは……ただその一つだけなんです」

武内P(とめどなく溢《あふ》れ出そうとする涙に耐えた泣き笑いを、私は一生忘れる事はできないでしょう)

卯月「お願いします! プロデューサーさん!」

武内P(彼女のただ一つの、健気な願いに私は――)


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
19Res/31.45 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice