提督「最後の1匹」
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3: ◆zPnN5fOydI
2021/12/23(木) 23:03:20.02 ID:JY2epAOO0
教官室にて提督は一息ついていた。

次の授業まで、あと2時間以上ある。それまで何をして暇をつぶそうかと提督は椅子にふんぞり返り、考えた。

同僚「今日も、いますね」

目を閉じてすぐに同僚が指摘する。提督は薄目を開いて、ふわふわと目の前を漂う妖精を一瞥して、再び目を閉じた。

提督「いつものことだよ。一々気にしていられない」

同僚「まあそうですけど。それにしても、どうしてこの妖精だけ消えないんでしょうか。他の妖精は皆、深海棲艦が消えると同時にいなくなったというじゃないですか」

提督は目を閉じてリラックスした状態で、耳だけは同僚の方に向けて彼の話を聞いていた。提督も、前々から不思議に思っていたことであった。

軍部の研究所も一時期は調査に乗り出してたものの、成果があがらずその研究チームは数年で終了した。

同僚は以前そのチームに所属していた。生来学究肌である彼は未だに妖精の正体と存在理由について個人的に研究しているが、何の成果も上がっていない。

同僚「前々から言われていることですけど、やっぱり深海棲艦の生き残りがいるということでしょうか? 深海棲艦の住処を攻撃して、生き残りを艦娘が倒して。そして妖精が鎮守府から消えた。つまり深海棲艦と妖精は表裏一体の存在だ、という仮説です。まあ、私が研究チームにいた頃世界中の海で深海棲艦の生き残りを探しましたが、結局見つかりませんでしたけどね。仮説の検証はできませんでした」

提督は相変わらず、椅子にふんぞり返って目を瞑っていた。同僚の話を聞かないように努めた。胸がチクチクと痛むのを感じた。しかしそれをおくびにも出さないように努めた。


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