【安価コンマ】貴方は世界を巡るようです 15巡目
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315: ◆Nq0wl2Ysns[saga]
2021/12/26(日) 01:33:00.11 ID:iCPdjJIE0
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レオンハルト「…………えっ。アベルさん居ないんですか?」
ジーク「そうなんだよレオンハルトさん! あいつ今朝、空を飛ぶ天使を見かけた……今から断罪をしに行ってくる。なーんて言って走って行っちゃったんだよ! やばくない? 天使だよ天使! いやー会った事無いから会ってみたいな天使! 天使の輪っかとか……羽とか……!」
レオンハルト「…………は、はぁ」
この人は何時も調子が変わらないなぁ……と、思った。
つい先ほど王国内にいる七聖剣全員に招集がかかりいつもの会議室に集められた。何でも砂国のデゼルトリアにてセブンスアビスの一人――『暴食』のセリュー・グランツを捉えることに成功したらしい。
その話を聞いた時まず驚いた、僕もあのドラゴンと一度顔を合わせ戦ったことがあるが――とんでもないドラゴンだった。どんな炎も、どんな熱も食べてしまうブラックホールみたいな胃袋で、逆に食べられてしまうかと思ったほどだ。
……どうやって捉えたんだろう? 少し気になる。
シュナイダー「――うむ! どうやら砂国の勇者が確保をしたようだな! 地に伏して倒れていたことから手負いの状態だったのではないかと――そういう話を砂国に居るシディア君から聞いている!」
テーブルの一番奥に座っているシュナイダーさんが会議室全体に響き渡るくらい大きな声で説明をしてくれた。そうなんだ、手負いの状態……そっか。
レオンハルト「少し……可愛そうですね。確かにセブンスアビスですから満場一致で処刑をするべきだと世界中から声が届くでしょうけど……処刑、処刑ですか……」
ジーク「だよなぁレオンハルトさん! 処刑何て駄目だよな!? そりゃあまあ悪いことしちゃったんだから反省はするべきだと俺も思うけど……だってほら貴重なドラゴン! ドラゴン娘! 俺としてはお近づきに――」
ディーパ「いやいやいや、あんたら脳みそパッパラパーなんちゃいますか? セブンスアビスを擁護って……ワイには庇いきれませんわ」
珍しく起きているディーパさんにそんな言葉を投げかけられる。天然パーマの頭を掻きながらめんどくさそうに……僕たちを非難するような視線で。
ディーパ「アベルはんがいたらこういう時一瞬なんやろうけどなーぜーかー今おらんし、レイネはんも海国にソフィアさんとバカンス……じゃない、貿易? のお手伝いー」
何時から七聖剣は犯罪者擁護集団になったんやろうかねぇ、シュナイダーはん?
シュナイダー「はっはっは! 手厳しいなディーパ君は! しかし私たちは擁護をしているわけじゃない、更生の余地があるんじゃないかと考えているんだよ」
ディーパ「更生!? シュナイダーはんいきなりボケられてもワイ困りますよ……セブンスアビスに更生の余地なんてあるわけないでしょうに……あー、めんどくさいめんどくさい。ヤバい犯罪者はパパパーっと首切ってお終い! それが一番手っ取り早いですよ」
ジーク「うわー怖いなーディーパさんは。まあでもアベルだったら同じこと言いそうだな……」
ディーパ「……まあアベルはんやったらワイも含めて犯罪者扱いみたいなもんなんでしょうねぇ。こわこわ」
自分の身体を抱きしめてぶるぶると震えるディーパさん。とてもわざとらしい演技だけど、僕にとってもアベルさんは怖くて怖くて堪らない……同僚だ。
あの人、ほんと視線だけで殺気をこれでもかと飛ばしてくるんですよね……ジークさんが居なかったら多分殺されてますよね、僕達。
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