72: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2021/12/20(月) 13:52:52.10 ID:86/EQe0g0
「では」
数分の後、朋花は再び口を開いた。
「凛さん、撮っていただけませんか〜? 私の写真を〜」
「う、うん……え? 私が撮るの!?」
「先ほどから、そう言っているではありませんか〜」
どうして?
自撮りが難しければ、彼女には彼女のために何かをしたい子豚ちゃんたちが大勢いる。彼・彼女たちに撮ってもらえばいいんじゃないだろうか。
少なくとも朋花を撮りたい子豚ちゃんは、大勢いると思うのだけど。
「凛さんが持ってきた募集要項なので、凛さんにその責任をとっていただかないといけないと思いまして〜」
「そういうものなの? じゃあ……わかった。でも私、スマホしか持ってないけど」
「それでけっこうですよ〜。では……」
腰を上げると朋花は、ツツジの前に立った。
前にも思ったけど、朋花は本当に美事な一本の花だ。
そこに立つだけで、花束のように彼女の周りは景色が変わっていく。
101Res/65.97 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20