6: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2021/12/20(月) 12:58:27.63 ID:86/EQe0g0
私は店の花を見回すと、いく本かの花を手に取る。
「四種いけ……?」
少女のやや批難じみたつぶやきが聞こえたが、その意味はよくわからないし相手にしている余裕が今はない。
ただ一心不乱に、花束を作った。
これまでも「お任せで」と言われて花束を作ったことはあったが、ここまで集中して作ったのは初めてかも知れない。
「できた……えっと、できました」
「……」
少女はなにも言わない。先ほどまでは挑むようであったその目も今は花束に向けられており、どう思っているのかもわからない。
「どう……かな?」
「華道の始祖の1人である佐々木道誉は〜」
「え?」
なにを言うかと思っていた少女は、いきなりそんなことを口にする。
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