47: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2021/12/20(月) 13:33:32.39 ID:86/EQe0g0
「別に花屋になりたくないとか、そういうわけじゃない」
ガーデンテラスのあるカフェに入ると、私は朋花に想いをぶつけた。
幸い他に誰もお客さんはいない。
「花は好きだし、店の手伝いも嫌じゃない。でも、私ってそれだけなのかな」
「私も……」
「え?」
朋花は他に誰もいないとわかっているはずなのに、周囲に目を配ってから再び口を開く。
「聖母になるとは決めています。これからも。でも、今よりも子豚ちゃんを増やしていくには、そして子豚ちゃんたちを魅了していき続けるにはどうしたらいいのかわからないでいるんです〜」
私は朋花が家を継がずに聖母として生きていくことを悩んでいるのかと思っていたのだが、彼女はもうそこは決めているようだ。
だが聖母としてどうすれば、生きていけるのかというまた別の次元の悩みを抱えているとも言える。
「子豚ちゃんって、いま何人ぐらいいるの?」
「108人ですね〜。騎士団の方達はそれとは別に、12人いますけど〜」
即答できる朋花は、やはり子豚ちゃんたちを大切に思っているのだとわかる。きっと聞けば名前もそらんじてくれるんだろう。
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