【コンマ】ウマ娘とトレーナーがラーメンを食べに行くだけのスレ
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◆/4adlfiarI
[saga]
2022/05/07(土) 19:32:18.81 ID:DL8oELkfO
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「……まさか、居酒屋ですか?」
「ラーメン屋って聞いてたけど……」
店構えは少し渋めの居酒屋バーに近い感じだ。店選びは天王寺トレーナーがしてくれたわけだけど……大丈夫かしら。
店内に入ると、炭火焼鳥の香ばしい香りが広がっていた。ジャズが流れていて、小洒落た雰囲気ではある。
「予約していた天王寺ですが……」
「お待ちしておりました、どうぞこちらへ」
小上がりに通され、カレンチャンと向かい合う。彼女はいよいよ機嫌が悪い。
「本当にお兄ちゃん来るんですよね?来ないなら帰りますよ」
「ちょっと待って。……とりあえず、軽く注文だけしましょうか」
なるほど、ちゃんとラーメンもある。しかも、麺は国産ブランド粉と本格的だ。
ただ、いきなりラーメンというのも変だろう。ここはちゃんと頼んでおこう。
「ご注文は?」
「えっと……皮にねぎま、それにトマトを。あと……この『ちゃざく』というのもお願いします。飲み物は……ウーロン茶をふた……」
……ノンアルで、素面のままでやれるのだろうかと、ふと思った。未成年者の前でお酒は教育者としてマズい。
でも、本音をぶちまけるには、これだ。
「ウーロン茶と、『黒龍』をお願いします」
「かしこまりました」
店員が厨房に入っていくなり、カレンチャンが私を睨んだ。
「今頼んだの、まさかお酒ですか?」
「ええ。お兄さんが来る前で悪いけど」
「……信じられない。そんな常識のない人だとは思いませんでした」
「そうね、でも常識を超えないと、仕方のないこともあるわ」
やがて、お通しとウーロン茶、そして日本酒の入ったグラスと枡がテーブルに運ばれてきた。
私はそれを、一気に飲み干す。
「えっ??」
喉を熱い液体が流れていく。芳醇な香りと甘みが口の中に広がり、体温が一気に上がっていった。
「……ぷは」
「ちょっと……」
「ごめんなさい〜、今のと同じの、もう一つで」
カレンチャンが、唖然とした様子で私を見ている。そんな彼女に、私は微笑んだ。
「ふふ。ちょっとテンション、上がっちゃった。ごめんなさいね、お酒の力を借りたかったの」
「……は?」
「知ってるの。あなたと天王寺トレーナーが、実の兄妹ということ。知ったのは、ここ最近だけど」
「まさか、お兄ちゃんが?」
「ええ。それで色々納得が行ったの。なんで私のことを、あなたが拒否したのか。
私はあなたにとって『泥棒猫』。そうじゃない?」
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