【コンマ】ウマ娘とトレーナーがラーメンを食べに行くだけのスレ
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542: ◆/4adlfiarI[saga]
2022/04/17(日) 20:55:41.74 ID:OOeTViQHO

しばらくすると、透明に近いスープのラーメンの丼が、私たちの前に置かれた。見た目はクラシカルな塩ラーメンだ。
具もほうれん草にバラ肉のチャーシュー、ネギにメンマ、ゆで卵と珍しいものはない。

サトノダイヤモンドも少し拍子抜けしたようだった。

「……塩、ですか」

「まあ食え、俺たちは情報を食いに来たわけじゃない」

芹沢さんに促され、レンゲでスープを口にする。
塩ベースで鰹節の旨味がじんわりと口内に広がった。焦がしネギの風味がアクセントにもなっている。なるほど、丁寧な味だ。


だが、これは……


「味、薄いですね」

サトノダイヤモンドが呟いた。そう、薄い。淡いと言ってもいい。
芹沢さんの「清流房」の「淡口らあめん」も、旨味が玄妙で食べ手の舌を問うような繊細な味だった。

だが、これは……それにしても薄い。麺と食べれば味の骨格は少しはっきりするが、物足りなさは否めない。

「……店内で批判はご法度だぞ」

「すみません!つい……」

私とサトノダイヤモンドのやり取りを見た芹沢さんがニタリと口の端を上げた。

「いや、その反応は正しい。まさか天王寺、お前は味がしっかりしているとか言わないよな?」

「……!!いや、その……」

「まあいい。で、カレーが来たぞ」

皿に盛られたカレールーは、かなり黒っぽい。本格的な欧風カレーのようだが……

スプーンで一匙食べる。……今度は濃い。というより少し苦い。
スパイスや果物の複雑な味わいはある。だが、それを苦味が覆い隠してしまっていて、どこかぼんやりとしている。
まずくはないし、手間のかかったものだというのは分かる。だが、メニューにある「このカレーより美味しいカレーがあったら教えて下さい」という店主の自負は、明らかに言い過ぎだ。

芹沢さんはというと、ニヤニヤしながらこちらを見ている。これを食べさせることの意図は、どこかにあるはずだ。

そう思い、スプーンを箸に持ち替えて、ラーメンの麺を啜る。


……



…………



パシーンッッッ!!!






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