【コンマ】ウマ娘とトレーナーがラーメンを食べに行くだけのスレ
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541: ◆/4adlfiarI[saga]
2022/04/17(日) 20:36:53.03 ID:OOeTViQHO


芹沢さんのヤリスクロスは首都高に入った。どうにも空気が重い。それを察したか、サトノダイヤモンドが切り出した。

「芹沢トレーナーって、香港にいたんですよね。クラちゃん……サトノクラウンとも面識が?」

「ああ。里見家の分家の娘か。あれはなかなかだったな。ブリュスクマンがいなければ、香港でも名を馳せてただろう」

「ブリュスクマンさんって、どんな人なんですか」

芹沢さんが少し顔をしかめた。

「それを聞いてどうする」

「これからトレセン学園で過ごす仲間ですから。少しでも知りたいなと」

「ハハハハハ!!!面白いな、『仲間』と来たか!里見家の御令嬢、随分能天気だな。札束で殴るのを好むあの親父にしては平和主義な娘だ。
それとも何か、情報を聞き出すことで弱点でも探ろうと?そんなに俺は甘くない」

「……そういうわけでは」

「冗談だ。まあ堅物だよ。勝利こそ至高というのは俺の教えでもあるが、あの女の影響が大きいようだな」

「ダイナカールさん、ですか」

ニヤリ、と芹沢さんが笑う。

「本格デビュー前の、小学校低学年専門に指導している理由は俺にも分からんがね。
俺はまだ会ったことがないが、あいつの娘もあんなキャラクターなんだろ。どこか飄々としていて、掴み所がない奴だ」

エアグルーヴの性格とは随分離れているようだが、それは言わないことにしておいた。



車は蓮沼駅前のパーキングに停められた。すぐに何人かの列が店の前にできているのが見えた。

「『武田流古式カレーライス 支那そば』……武田流とは」

「ここの創業者の名字だよ。資生堂パーラーの出身だったらしいが、故人でもう今はいない。何せ創業70年近いからな」

70年……一線級のラーメン店としては最古の部類に入る。なぜ知らなかった?

「セットメニューは食べ方があるんですね。『最初に支那そばを出して、頃合いを見てカレーをお出しします』……同時に出るわけじゃないんですね」

「そこが肝だ」

支那そばとカレーのセットを注文する。客はほぼ全員がこれか、半カレーのセットを頼んでいるようだった。



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