【コンマ】ウマ娘とトレーナーがラーメンを食べに行くだけのスレ
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475: ◆/4adlfiarI[saga]
2022/03/27(日) 18:14:41.64 ID:4iD45xq8O


シリウスシンボリは挑戦的な笑いを浮かべている。私は思わず眉をひそめた。


トレセン学園には「問題児」と呼ばれるウマ娘が何人かいる。その多くは「トラブルメーカー」という意味だ。
ゴールドシップはその代表と言える。海外留学中の「あの2人」も同じベクトルだ。
ただ、彼女らは学園の秩序に挑戦するようなスタンスではない。あくまで好き放題やった結果がトラブルになっているだけだ。

シリウスシンボリは違う。彼女は明らかに「異物」だ。
彼女の親族がどういうものかは詳しくは知らない。ただ、相当な富豪……それも裏に近い立場の富豪であるらしいとは聞いていた。
そして、彼女はシンボリルドルフと何度も衝突してきた。昔馴染みとのことだが、犬猿の仲であるのは周知の事実だ。

そんな彼女が何を考えているのか。恐らくろくなものではないだろう。
むしろこの素行でよく今まで退学処分になっていなかったものだ。


私は溜め息をついた。


「君一人でやればいいだろう」

「いや、芹沢達也の知人で、ある程度心を許す存在であるアンタがいた方がスムーズに話が進むってもんさ。だからここに来た」

私は「必要ない」と言い掛けて止まった。


……芹沢さんは復讐を考えている。それはどういうものだ?
そしてそれが、トレセン学園を揺るがすものだとしたら?シリウスシンボリは、それを止めるためにここに来たのではないか?


断るのは簡単だ。だが、恐らく協力なしで芹沢達也の過去と狙いを知ることは、不可能に思えた。
彼女としても、芹沢さんに近付くには、私の力が必要なのだ。

「……分かった」

シリウスシンボリの笑みが深くなった。

「いいねえ。アンタなら分かってくれると思ってた。とりあえず、情報屋に会いに行く。明日、銀座6丁目の『Seraphim』というバーだ」

「情報屋?」

「私の家はまあ丸めて言えば『セキュリティーサービス』だ。このトレセン学園にも、私の実家の力は及んでる」

「セキュリティーサービス」……なるほど、そういう家か。

幸い、明日はレース明けのバクシンオーはトレーニングを休む。カレンもまだ本格的なランニングの許可は下りてない。

「……了解だ」

「ついでと言っちゃなんだが、一杯馳走してくれ。今回の依頼料代わりだ」

シリウスシンボリが、ニヤリと口の端を上げた。



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