【コンマ】ウマ娘とトレーナーがラーメンを食べに行くだけのスレ
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名無しNIPPER
[saga]
2021/12/30(木) 00:03:25.18 ID:7W+mlsx/O
「ひいっ!!?」
ライスシャワーが驚いた声をあげる。バクシンオーも目を丸くした。
「ちょわっ!?これはどうしたことですかっ!?」
「ハッハッハ、すまないね。美味さで筋肉が満足すると、こうなるのだよ」
カウンターの奥の店主も苦笑する。
「天王寺さんのそれ、久々に見ました」
「お恥ずかしい。チートデイで美味いものを食うと、どうしてもこうなってしまうのですよ。
ともあれ皆、私のことは気にせず食べたまえ」
バクシンオーは一心不乱に麺を啜り始めた。
「美味しいっ!美味しいでふトレーナーさんっ!!こんな美味しいラーメンは初めてです!!」
「ライスも同じだよ?本当に、今まで食べたことのないラーメン……
それに、この粒々。胡椒みたいだけど、とても複雑な味がする」
三田村嬢が首を縦に振る。
「それ、気になってたの。何なのですか?」
「マダガスカル産の最高級胡椒『ペッパーキャビア』ですよ。これもフレンチならではの薬味ですな」
端麗系のラーメンは、往々にして味が単調になりがちだ。そしてえてして、上品なだけの味になり、印象がぼやけやすい。
それをペッパーキャビアが封じている。しかも、食べ進めるごとにそれはスープに溶け出し、スープ自体の味を変えていく。故に、飽きない。
「チャーシューも、柔らかくて美味しいです!」
バクシンオーはほとんどスープも飲み干そうとしている。脚だけでなく、食べるのも速い。
ライスシャワーはというと、味わうようにゆっくりと食べている。これもスプリンターとステイヤーの違いというものか。
「本当に、美味しい……!天王寺トレーナーさん、ありがとうございます」
「いやいや、礼には及ばないよ。お祝いの穴埋めにはなったかな?」
「うんっ……!」
嬉しそうなライスシャワーを見て、私も思わず笑顔になる。そうしていると、私たちの前にグラスが出された。
「これは……?」
「ほうじ茶です。よろしければ」
「……!!」
三田村嬢が絶句した。バクシンオーも「ややっ!!」と声をあげる。
「これは濃い、美味しいお茶ですね!」
「スープの味を、クリアに流していく……まるで完成された、フルコースの最後のデザートみたい」
三田村嬢に私は頷いた。
「その通り。それこそが、この店のコンセプトですからな」
「コンセプト……あっ!!確か、フレンチ出身って……」
「そういうことです。元々、フレンチレストランに行くおつもりだったのでしょう?
ここを選んだのには、然るべき理由があったわけですよ」
「そういうことでしたか……!心遣い、本当にありがとうございます!」
「いやいや、たまたまチートデイにラーメンをと思っただけですよ。そして狙い通り、筋肉も満足した。
あまり長居すると、待っているお客さんに悪いですな。そろそろ出ましょうか」
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