【コンマ】ウマ娘とトレーナーがラーメンを食べに行くだけのスレ
1- 20
342: ◆/4adlfiarI[saga]
2022/02/20(日) 19:47:00.59 ID:znS1evlKO


待つこと20分。私たちが入ると、それだけでほぼカウンターが埋まった。
厨房からの香ばしい匂いが強まる。

「これは……炭火焼、ですか?」

「その通り。客に出す前に炙るんだ」

アルダンが興味津々といった様子で厨房を見る。メジロのお嬢様にとっては、ラーメン屋自体が新鮮なのかもしれない。

タキオンが、カウンターの上のポットを指差した。

「なんだいこれは」

「スープだ。麺をほぼ食い終えた頃に入れる。油そばで追い飯はよくあるが、スープ割りはまあまあ珍しいな」

そうしているうちに、私たちの丼が準備される。向こうから黒煙が上がると、肉の焦げた匂いが強まった。

「塩大盛りです」

麺には、たっぷりの魚粉とネギ。それに海苔と味玉、炭火焼のサイコロチャーシューが添えられている。

「よくかき混ぜ……「バックシーン!」」

また説明する前にバクシンオーが食べ始めていた。

「これはおいしいです!なんというか、力が湧く味です!!」

「……とにかく、ちゃんとかき混ぜて食べよう」

軽く上下に麺を混ぜ、一気に啜り込む。


その瞬間、口の中に魚粉とネギ、そして炭と唐辛子の香りが一気に拡がった。


パシーンッ!!!


ボタンが弾け飛ぶ。洗練という言葉からは程遠い。むしろ、ジャンクフードとすら思える暴力的な荒々しい味だ。
だが、それがいい。スープの雑味がないからこそ、こういう味の組み立てができるわけだ。


「むむっ!!?」

「これは……」

アルダンとタキオンも唸った。

「何というか……シンプルなようで、いくつもの香りがあるのですね……」

「なるほど、塩にした意味はこれだね?辛味が入ってるから、味がぼやけない」

「味覚は芹沢さん譲りか。何で料理がダメなんだ」

「だって料理なんて面倒じゃないか。モルモット君が作ってくれるし」

ウマスタ用の写真を撮り終わったカレンも「おいしー♪」と満足げだ。

「この炭火焼が美味しいね♪柔らかいし、味もしっかりしてる。さすがお兄ちゃん♪」

「味付け卵もおいしいです!さらにバクシンできますっ!」

バクシンオーの丼はもうほとんど空だ。相変わらず速い。

「麺が減ったらスープを少しずつ入れてくれ。また違った味になる」

私もスープ割りに動く。焦がしネギが浮いたスープは、ちょうど町中華のスープを思わせるような柔らかい味わいだ。
出汁の少なさを、香りと工夫で補う。こういう油そばもあっていい。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
718Res/329.31 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice