【コンマ】ウマ娘とトレーナーがラーメンを食べに行くだけのスレ
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320: ◆/4adlfiarI[saga]
2022/02/18(金) 20:03:44.92 ID:X9tqqwHHO

「タキオンさんっ!?」

「骨密度の増強に必要な飲み薬が完成したのさ!これで君も私も……っと天王寺トレーナー君じゃないか」

私は溜め息をついた。

「……また未認可の薬を飲ませようとしたのか。ドーピング検査に引っ掛かったら破滅だぞ」

「いやいや、それは大丈夫。私のモルモット君が身を以て証明してくれたからね!」

萌え袖をヒラヒラさせ、得意気にタキオンが胸を張る。そういう問題じゃない。

「また滝川トレーナーが被害に遭ったのか……」

「被害とはなんだい、失礼な。研究成果の名誉ある第一号になったのだよ。多少身体が光っても……」

「その時点でアウトだ」

滝川トレーナーもよく彼女の人体実験に付き合っているものだ。ある意味、私以上に頑健ではなかろうか。

「なんだよ〜つまらないな〜。成果は確かなのに」

「脚を治したい気持ちは分かるが、せめて認可が降りるまで我慢しろ」

……そう。タキオンも脚は弱い。昨年に大怪我をし、今は復帰に向けて動いていると聞く。
同じ悩みを抱える者同士、気が合うのだろうか。確かにタキオンがたまに学年が上のアルダンと話している姿は見ていた。

「……でも、私には時間がないんです」

アルダンが、絞り出すように言う。私はハッとなった。


トレセン学園は、建前は中高一貫の普通学校だ。だが、6年で卒業できる生徒は、実はほぼいない。
毎年ある進級試験。それに合格しないと、卒業できない仕組みになっている。そして、不合格者は、1年に限って留年を許される。


アルダンは既に、進級試験を落ちていた。
厳密には、受けることすらできなかったのだ……脚の怪我で。
翌年までに、脚を完全に治さないと、彼女の未来は……ない。







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