【コンマ】ウマ娘とトレーナーがラーメンを食べに行くだけのスレ
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◆/4adlfiarI
[saga]
2022/01/30(日) 16:55:25.16 ID:3n1lv2WdO
「これが……マンガリッツァ豚」
カレンは早速スマホを取り出すと、パシャパシャと角度を変えて写真を撮り始めた。
その横ではバクシンオーがいつものように「バックシーン!」と叫んでいる。
「にょわーっ!!この豚さんは何ですかっ!!この、なんというか……ああっ!表現できる言葉がないのがくちおしい!!」
普段は豚は後で食べる私も、今回ばかりは焼豚から口にした。くにゅり、とした弾力。そして……
何だこれは。
顔色が一瞬のうちにして変わったのが、自分でも分かった。ワイシャツのボタンも弾け飛ぶ。
美味い。尋常ではなく、美味い。しかし、適切な言葉が全く思いつかない。
イベリコ豚のように、脂そのものが香ばしい。しかし、それだけではない。
肉から滲み出る旨味。この深さ、今まで体験したことのあるレベルではない。
バクシンオーでなくても、これを説明するのは難しいだろう。確実に言えることは、醤油で下味をしっかり付けているということだ。
「『鶴醤』、ですか」
「搾りたての特注品です。これに漬けて、旨味を最大限に引き出したんですよ」
大将が説明してくれた。麺を啜る。……これも美味い。
醤油ベースだが、マンガリッツァ豚の脂がそこに加わり、スープだけでも既に尋常じゃない旨さになっている。
赤いナルトのようなものは「赤巻」と呼ばれるかまぼこの一種か。かまぼこをラーメンに使うのはあまり聞かないが、脂が強いこの一杯にはとても合っている。
ふと横を見ると、カレンの目が潤んでいるのが分かった。
「……どうした」
「ううん。……すごく美味しい。というか、なんだかほっとしちゃったの」
「ほっとした?」
「うん……生きて日本に戻れたんだなって。そして、お兄ちゃんと会えたんだなって。やっと実感できた」
「カレン……」
ゴシゴシと目をこすると、カレンはいつもの調子の笑顔に戻った。
「お兄ちゃん、ありがとね!早速、写真ウマスタとウマッターにアップしていい?」
「あ、ああ」
バクシンオーは「大・満・足です!」ともう食べ終えていた。私も麺が伸び切る前に食べ終えねば。
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