【コンマ】ウマ娘とトレーナーがラーメンを食べに行くだけのスレ
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120:名無しNIPPER[saga]
2022/01/17(月) 00:00:36.95 ID:zZAOGZQnO
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「いや、本当にどうもありがとうございました」

帰りの車内で、アリーム君が頭を下げる。

「いやいや、寒空の下、2回も行列に並ばせてしまいすまなかった。まさか、『ラトリエ・ドゥ・アンティーク』があんなに並んでいるとは。
バレンタインデー前ということを、考えておくべきだったな」

「いえいえ、とんでもない。あんな美味しい店を紹介していただき、本当に感謝しています」

「天王寺トレーナー、私からも御礼……むぐっ、申し上げ、ますわ」

後部座席からマックイーンの声が聞こえる。……何か変だ。

「……マックイーン?」

「あ、んぐ。失礼しましたわ」

信号待ちで振り返ると、モンブランを手掴みで食べているマックイーンが見えた。

「ちょっと待ってくれ!?なぜ待てない!?」

「このモンブラン、絶品ですわ!もう一つ買えばよかったですわ……」

「いやいや、さっきつけ麺を食べたばかりだろ?」

「別腹タンク、ですわ」

悪びれもせず、笑顔で彼女は指についたクリームを舐めた。ストッパーになりそうなバクシンオーは……

「すぴー」

疲れてしまったのか、気持ちよさそうに眠っている。……スプリンターの彼女は、スタミナが切れてしまったようだ。

「……とりあえず、車内は汚さないようにな」

「分かりましたわ!」

*

トレセン学園に着いた時、1つを除いてケーキが食べ尽くされていたのは言うまでもない。
ただ、その1つはアリーム君が選んだものだった。案外、彼女も彼を気に入っているのだろうか?
まあ、若者の恋路は邪魔しないでおこう。

……私も、ああいう甘酸っぱい青春を送るすべきだったのだろうか。思えば、筋肉のことしか考えてこなかった気がする。
少し感傷的な気分になりながら、彼らを見送るのであった。


第3話 完




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