1:名無しNIPPER[sage saga]
2021/12/07(火) 23:06:36.04 ID:Jpv9BGeKO
「ねえ、兄貴」
「なんだよ」
私、高坂桐乃には兄がひとり居る。
名前は高坂京介。歳は3つ年上だ。
小さい頃、私は兄貴に憧れていた。
「私のこと、まだ好き?」
「は、はあ?」
憧れと恋心の違いを私は知らぬまま、実の兄である京介に恋愛感情を抱いていた私は、結局のところ兄離れが出来ていなかったのだろうと今ならばわかる。京介は狼狽えながら。
「そりゃ……妹としては好きだけどよ」
「キモ」
「キモくねえ!」
今はこうして妹として好きだと言って貰えることが嬉しい。ついつい憎まれ口を叩いて兄が憤る様を見るのも楽しい。甘えたくなる。
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2021/12/07(火) 23:10:33.29 ID:Jpv9BGeKO
「兄貴は妹のことが大好きだもんね」
「わ、悪いかよ」
「んー悪くはないけどー」
「けど、なんだよ?」
3:名無しNIPPER[sage saga]
2021/12/07(火) 23:14:01.93 ID:Jpv9BGeKO
「そもそも『あたし』は京介以外の兄貴なんて考えられない。『あたし』の兄貴は京介だけ」
「俺だってそうだよ」
「はい、嘘」
「う、嘘じゃねーし!?」
4:名無しNIPPER[sage saga]
2021/12/07(火) 23:23:40.99 ID:Jpv9BGeKO
「兄貴はいいよね」
「なにが?」
「『あたし』という妹が居てさ」
「自分で言うなよ……」
5:名無しNIPPER[sage saga]
2021/12/07(火) 23:28:18.78 ID:Jpv9BGeKO
「京介……」
「どうした、桐乃?」
口から出た声は自分でも驚くほど不安げで。
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