高坂桐乃「……溶けてしまいそう」
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5:名無しNIPPER[sage saga]
2021/12/07(火) 23:28:18.78 ID:Jpv9BGeKO
「京介……」
「どうした、桐乃?」

口から出た声は自分でも驚くほど不安げで。

「私……もう、『あたし』じゃないのに……」
「お前はお前だろう」
「いつまでも、ガキのままじゃないのに……」

時間は止まらない。それでも京介は甘やかす。

「いつまでもお前は俺の妹だ」

俯く私の頭を優しく撫でる兄貴。泣きそう。

「桐乃」
「ぐすっ……な、泣いてないし」
「まだ何も言ってねえよ」

うるさいバカ兄貴。これ以上優しくすんな。

「あの時よりもお前は大人になった。でも俺はまだあの時のままだ。妹のことが大好きで、キモい兄貴のままだ。そんな兄ちゃんだけど、兄ちゃんだから、だからさ……桐乃」

距離感を測りながら、兄貴は妹の私に諭す。

「兄ちゃんの前では『妹』でいいんだぜ?」
「兄貴……」

言われて気づく。『私』は、強がっていた。


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