ボンドルド「少し、席を外しますよ」ベル・クラネル「え?」
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5:名無しNIPPER[sage saga]
2021/12/03(金) 22:41:41.62 ID:itDB2ts2O
「眠れませんか?」

祭壇の中央には光の柱があって、それはまるでオラリオのバベルのようでベルは見上げていた。声をかけられて振り向くと彼が居た。

「ボンドルドさん、あの光は……?」
「あれは黎明の光。夜明けの光です」
「黎明の、光……」

闇に沈むこのなきがらの海を照らす、夜明けの光。兆し。ここから下は、世界が異なる。
オラリオの夜明けに、ベルは思いを馳せた。

「この基地はかつて祭祀場の遺跡でした。決して戻れぬ六層以降に挑むということは奈落にその身を委ねるということ。ここはその準備、儀式を執り行う場所でもあったのですよ。供物は誰でも良いわけではありません。使用者に全てを捧げる確固たる意思がなければ、生命の紋が適合しないのです」
「何を、言っているんですか……?」
「白笛の原料は、人間です」

唐突に明かされた白笛の秘密に動揺を隠せないベルに対して、ボンドルドはそれ以上踏み込もうとはせず、話題を変えた。朗らかに。


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