【安価コンマ】貴方は世界を巡るようです 14巡目
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74: ◆Nq0wl2Ysns[saga]
2021/11/27(土) 22:32:11.76 ID:WIA32eqF0
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ベルフェ「あー、わりぃ。多分ベルフェ様のせいだわそれ」
泣くドロシーさんと一緒にワイズの欠片を部屋に運び込むとそこにはベルフェが居た。ベルフェは欠片を見るや否や悪びれもなさそうにそう言ってのけた。
あの龍はセブンスアビスの一人で――あの惨状は自分が引き起こしたことだと、町の人々に起こした被害も、ワイズが死んだ原因も自分にあると。
ドロシー「えっ……?」
ユウナ「――――」
そこからは早かった。ぼくはワイズの欠片をゆっくりとベットの上に置いた後――ベッドの傍に置いてあった聖剣『アーベルレイジ』を握りしめて――!
ユウナ「うわぁああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
ベルフェ「っ!? テメェ! あぶねぇだろうが!」
ユウナ「お前だけは……お前だけは……っ!」
今ここで倒す! 今ここで首を斬り飛ばしてやる!
――剣を握る手が熱い。まるで、ぼくに「悪」を倒せと促しているようだ! ベルフェ――違う! 悪魔を倒せと剣が僕に囁く!
ベルフェ「クソが……! ああもうだからその剣は嫌なんだよ! 気持ちわりぃ!」
そう捨て台詞を吐いてあの悪魔は窓へと飛び込んだ、待て! と追うが、大きな翼を広げ空へと逃げてしまった。
ユウナ「チッ……!」
自然と舌打ちが出る。あの悪魔のせいで、また誰かが被害にあうかもしれないのに……!
ドロシー「な、なにがどうなってるんですか……!」
ユウナ「……ドロシー」
ドロシー「わ、わたくしはもしかして……自分で勝手に騙されていたんですか!? セブンスアビスと言っても普通に話してくれるし、話で聞くほど……怖い人じゃないって! 自分で勝手にベルフェさんの像を作って、それを信じていたんですか!?」
ユウナ「ドロシー、ちょっと落ち着いて――」
ドロシー「わたくし! 怖くて、怖くて堪りませんよぉ……! ユウナぁ……!」
膝から崩れ落ちてまた涙を流すドロシー……それを見て僕は――何も出来なかった。
抱きしめるとか、慰めの言葉をかけるとか――出来なかった。
だって、だって。ぼくもドロシーと一緒だったから――――。
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