【安価コンマ】貴方は世界を巡るようです 14巡目
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549: ◆Nq0wl2Ysns[saga]
2021/12/04(土) 23:18:33.21 ID:A655M54w0
ドロシー「…………」

ワイズ「…………ぇ」

僕の手を握って、目を瞑りながら――唇を近づけてくるドロシーさん。

しかし、唇は触れ合わない……つまり。僕から唇を近づけたら……オッケーということだろうか?

ワイズ「っ…………」

でも、でも、でも! 僕にはユウナが居て……! でも、ドロシーさんは、ユウナに後押しされてて……? 自分も、恋人にさせて欲しい……?

ワイズ「ど、ドロシーさ――ぁ?」

どういうことなのか声を出そうとした瞬間、ドロシーさんの後ろにある扉が開いてそこからなにか……紙のようなものが差し込まれた。そしてそこには……。

「ヘタれたら許さない ユウナより」って、書いてあった。

ワイズ「」

ドロシー「…………………」

ああもう、ユウナは……! そういう、こと……?

……ユウナの許可はあって、ドロシーさんは僕からの答えを待っている。

僕が、ドロシーさんのことをどう思っているか? そんなの――ずっと決まっている。

ドロシー「――――っ」

僕は――少しだけ背伸びをして、彼女の唇に――自分の唇を押し付けた。

短いけど長い、キスだった。長かったけど短いキスだった。

――ドロシーさんの心臓の音が、聞こえた気がした。


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