勇者「魔王は一体どこにいる?」の続編の続編の続編
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89:名無しNIPPER[saga]
2021/11/20(土) 11:45:30.93 ID:KbfSVIxh0
『飛空艇』


シュゴーーーー バサバサ


剣士「…ここからハテノ村へは1日くらい…このままだと盗賊さん達より先に到着する事になる」

商人「それがどうしたんだい?」

剣士「海士島まで1日半…霧が立ち込めてしまう前に先に行ったほうが良いと思う」

商人「モタモタしていると幽霊船と合流出来なくなるのか」

剣士「ハテノ村は陸地の地形を確認しながら行けば良いけど海士島だとそうは行かない」

商人「分かった…君の言う通りにしよう」

剣士「進路変更!」グイ バサバサ

商人「ところで剣士君…君は千里眼は使わないのかい?」

剣士「あまり覗き見はしない事に決めてるんだよ」

商人「まぁ一応は使えるんだね」

剣士「見てもあまり良い情報なんか得られないのさ…大体は見たくない事なんだ」

商人「幽霊船の現状を知るくらいは良いのでは?」

剣士「どうせ狭間の中…見えても船の中」

商人「なるほど…時間のムダになる訳か」

剣士「商人さん…僕嫌な予感がする」

商人「何だい?」

剣士「僕はアダムを破壊して未来を変えたつもりだった…でも地軸の変動は起き始めてしまった」

商人「…」

剣士「もしかすると未来は変えられないのかもしれない…だとすると幽霊船は沈んでしまう」

商人「アダムの破壊は大きな歴史の流れのほんの小さな事なのかもね」

剣士「僕の記憶では沈む幽霊船の中で大事な人を失った…また失うのが怖い」

商人「今からそれを変えに行くんじゃないのかい?」

剣士「そうだよ…そうさ…そうするしかない」


---僕は失いたく無かった---

---今度は絶対に失わせない---


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