藤原肇「千夜さん、一緒に釣りに行きませんか?」
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63:名無しNIPPER
2021/10/30(土) 15:28:11.91 ID:/ZuqsV3u0
帰りの新幹線で、私は千夜さんと隣同士になりました。
ボックス席の向かいに座る颯さんと凪さんは、遊び疲れて寝ています。
「美味しそうですね、クッキー」
千夜さんから受け取ったその箱を眺めながら、私は会話の糸口を探します。
ただ、凪さんの人形ほどではないにせよ――。
やはりそれは、大阪っぽくはないというか――えぇと。
「おそらく、ごく一般的なバタークッキーでしょう。
然したる面白みは、期待できないかと」
言葉に迷う私に、自身のお土産に対する無遠慮な評価をピシャリと言い放つ千夜さん。
そ、そんな身も蓋もない――。
思わず閉口してしまった私に、千夜さんは頭を下げました。
「申し訳ありません」
「えっ?」
「私には、どのような物を買えば良いのか分からず……」
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