藤原肇「千夜さん、一緒に釣りに行きませんか?」
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43:名無しNIPPER
2021/10/30(土) 14:48:38.87 ID:/ZuqsV3u0
――なるほど。ヒーリングスポット、か。
どうやら、魚を釣る以外の目的はあったようだ。
都会の喧噪から離れ、川の上流まで行けば、自然豊かな環境になるのも道理と言えるだろう。
精神が落ち着く――。
そこまで聞いた時、私はとある事を思い出した。
肇さんのもう一つの趣味を。
「肇さんは、陶芸をされていると」
「はい」
備前焼を、と彼女は言い添えた。
釣りの時と同様、食いつき良く答えた辺り、自分の趣味について話す時の肇さんは、実に生き生きとしている。
「浅慮ながら、陶芸というのは、特に精神力が求められる分野かとお見受けします。
肇さんが釣りを嗜むのも、気分転換、というか……」
いや、気分転換というのは失礼だろうか。
彼女にとって、もっと意義のあるものであるのかも知れない。
「……メンタルをコントロールするための手段、だったりするのでしょうか」
おずおずと私から聞かれた肇さんは、「うーん」と首を傾げる。
「結果的には、そうなっているのかも知れません」
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