藤原肇「千夜さん、一緒に釣りに行きませんか?」
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35:名無しNIPPER
2021/10/30(土) 14:33:37.57 ID:/ZuqsV3u0
「……うーむ」
これでは、針の先が丸見えだ。
いくら根元まで食いつかせようと、こんなもので魚に気づかれないとは思えない。
先ほどから餌だけを器用に掠め取っては逃げる、狡猾な魚達を。
「イクラを二個、付けてみたりするのはどうでしょう?」
素人が無い知恵を絞って思案していると、肇さんが私に提案をした。
なるほど――確かに。
「試してみます」
ご用意いただいたものには、多少の遠慮はある。
それ故に、無駄遣いはするまいと、改めて考えるまでもなく手を付けてきたが――。
肇さんは、そんな私の胸中を察して、そのように言葉を掛けてくれたのかも知れなかった。
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