藤原肇「千夜さん、一緒に釣りに行きませんか?」
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34:名無しNIPPER
2021/10/30(土) 14:32:07.21 ID:/ZuqsV3u0
* * *
自信があったわけでは無い。
まして、安いビギナーズラックを期待していたわけでも。
しかし――これほど釣れないものなのかと、甘く見ていた事は認めざるを得ない。
始めて1時間ほど経ってもなお、少しもアタリが来ることなく、餌だけが奪われる釣り針をジッと見つめる。
ひょっとしたら、餌を針の先っぽに付けているのが良くないのかも知れない。
魚からすれば、針の根元に無い餌ならば、上澄みだけを掠め取るのは容易だろう。
そもそも、魚に食われるまでもなく、水流に負けて餌が外れてしまっている可能性もある。
そう思い、私はイクラを一つ取り、針の根元まで貫通させ、深く刺してみた。
だが――。
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