【安価・コンマ 】ロボットのパイロットとして生きる【オリジナル】
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644:名無しNIPPER[saga]
2021/12/06(月) 20:15:38.92 ID:sr16Tf3y0
いい感じにいけそうなので全部採用します。


「本当に情報を渡してよかったのか?」

木陰に座りながら迎えを待つカズミがアルトに話しかける。

ヘルミラーの整備をしているイヴを見ながらアルトは口を開く。

「正直言って、妹を殺した奴らに利する行為はしたくなかった」

「なら、どうして」

アルトはエヴァを見ながら軽く笑った。

「別に。イヴとか言う奴に撃ち殺されるよりはマシだと思ったのさ」

「...」

昔からお姉ちゃんはこうだったな、とカズミは懐古に浸った。ハッキリと口には出さないが、周りの人間に気を回し、本人には気づかれないようにそれとなく助け舟を出す。
幼い頃は、カズミがやらかしたポカも知らぬ間にアルトが解決していたりしていた。

「ところでお前の家族は──」

「おっきいとりー!」

カズミの言葉はエヴァの興奮した声に掻き消された。2人はエヴァが指差した方を見て絶句した。

「おいおい、鳥っていうかもはや化け物じゃ...」

黒い羽毛に包まれた、PEMに匹敵すると思われるほど大きな鳥が空中で旋回している。
時折見える目は明らかに血走っており、カズミ達を敵視している事は間違いない。

「おい、アンタ何やってんだ!?」

アルトがふとイヴの方を見ると、彼女は何故か巨鳥にリンゴを差し出していた。

「これをあげれば落ち着く」

「そんな訳ないだろ!」

「こうなったら!」

カズミが銃を取り出し、巨鳥に狙いを定める。

「おい、待つん──」

アルトが制止するよりも早くカズミは引き金を引いた。

弾は巨鳥に命中したが特に傷ついておらず、むしろ更に怒らせてしまったようだ。

「ったくアンタ達は...!こっちだ!」

先導するアルトに従ってカズミ達はジャングルの中を駆け抜ける。

それから暫くの間走り続け、巨鳥の鳴き声が聞こえなくなった事を確認してカズミは一息ついた。

「はぁ、はぁ、はぁ...。みんな、居る?」

肩で息をしながら辺りを見渡すと、そばに居るのはイヴだけだった。

「はぐれた」

「そ、そうみたい。とにかくヘルミラーのところに戻ろう。エヴァ達もそこに行くはず」

「分かった。...ところでどっち?」

「...私も分からない」

方角は分からないが取り敢えずカズミとイヴは歩き出した。


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