【安価・コンマ 】ロボットのパイロットとして生きる【オリジナル】
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524:名無しNIPPER[saga]
2021/11/17(水) 21:57:59.74 ID:V3g53V0q0
「もうおわりかなー?」

「だと良いけど...」

幸い増援がくる気配はない。

その時ミツキがカズミ達を呼んだ。どうやら怪しげな人物を見つけたらしい。その怪しげな人物はミツキが飛ばしている武装したドローンに銃を突きつけられていた。

「あなた...どこかで見た顔ですね」

男はドローンから発せられたミツキの声に最初は驚いた表情だったが、すぐに怒りが表れた。

「あなたの"元"社員ですよ!」

「ああ、例の試作型スパイヤーズの開発チームに居た人ですか。何故こんな真似を?」

ミツキの言葉を聞いて、男の表情はまるで般若のように変化した。

「何故!?それを聞きたいのはこっちですよ!真面目に仕事をしていただけなのに、どうして予算を減らされないといけないんですか!?おかげでろくに事情も知らない他の部署の連中には無能だと冷たい目で見られましたよ!」

「だってしょうもなかったですし」

「あっ...あなたって人は...!」

男は今にもドローンに殴りかかりそうだ。

「そんな事よりあの試作機は何ですか?資料で見た時はあそこまで対エネルギー性能は高くなかったと記憶していますが」

「ハハハハ...!あなたに不当な目に遭わされて腐っていたところをグラディウスグループに拾って頂いたんですよ!」

グラディウスグループ── 西大陸における巨大企業であり、貿易業を中心に金融や重化学事業を担っている。一般人には知られていないが、業界人の間ではハイオネル・ファミリーのフロント企業である事は周知の事実である。

「彼らは私に自由にやってくれと言いました。だからあなたへの復讐も込めてコスト度外視でハイグレードの対エネルギー装甲を備えたスパイヤーズの後継機を開発したんですよ!」

カズミはどう考えてもミツキが悪いような気がしていたが、口を挟むのはやめておいた。

「それで彼らが私の開発した試作機を使ってあなたを殺すと聞いて、この目で見にきたんですよ!...まぁ、失敗したようですがね」

男はそう皮肉げに笑った。
対してミツキは理解できないと言った感じでため息をついた。

「それなら最初からその試作機をウチで作ればよかったじゃないですか。エネルギー兵器を完全に無効にするPEM、夢があります!」

その言葉を聞いて男は怒りと呆れが混ざった複雑な表情になった。

「まぁ、終わった事はもう良いです。私は自分に逆らった人間を受け入れるほど心は広くないので。この人の処理はあなた達に任せます」

それよりも、とミツキは続ける。

「グラディウスグループと言いましたね...。成程、大体今回の事件の概要がわかりました。大方下請け共を焚き付けたのもグラディウスでしょうね」

グラディウスグループは近年、西大陸だけでなく中央大陸のPEM製造のシェアをも狙っている。その事もあってか以前から何回か、彼らからバウエル・インダストリに対する揺さぶりはあった。


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