【安価・コンマ 】ロボットのパイロットとして生きる【オリジナル】
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470:名無しNIPPER[saga]
2021/11/11(木) 21:08:30.42 ID:yJ1UrYoW0
72 ガルーの勝ち

「っし、やったぜ!ヘルプありがとな、バーネット!」

ガルーはすっかり当初の目的を忘れて、素直に試合に勝利したことを喜んでいた。

「全く、何故私がこんな事に付き合うハメに...」

「まあまあ、いいじゃねえか。それより、これで文句ないな?」

息を切らしながら座り込む2人の男は首を縦に振った。

試合が終わったのを見て、女性がガルー達に声をかけてきた。

「助け舟を出していただき、ありがとうございました」

「いいって事よ。それよりアンタ...えーと」

「私はラ...いえ、ロイと言います」

ライは助けてくれた目の前の男性に悪いとは思いつつも、念の為に偽名を告げた。

「ロイさんか。厄介な奴らだったな?それにしてもアイツらが素直に従ってくれるとは、てっきり文句を言われるかと思ったぜ」

「ヒューシャルのビーチボールバレーの歴史は深く、かつては決闘の役割を果たしていたとか。だから勝敗は地元の人には絶対らしいですよ。多分彼らも地元の人なんでしょうね」

「そうなのか。ま、勝てたから何でいいけどよ」

「そうだ、助けてくれたお礼と言っては何ですが、飲み物でも奢りますよ」

「本当か!丁度喉が乾いてたんだよ」

するとバーネットがガルーに耳打ちした。

「今は任務中だぞ、さっさと持ち場に戻れ」

「分かってるよ、飲み物を受け取るだけだ」

「私は先に戻る。お前も直ぐに戻ってこい。ああ、それと、私の分も頼む」

「分かったよ」

そうしてバーネットは持ち場に戻った。

「それじゃあ、近くに売店があるのでそこでいいですか?」

「ああ。また誰かにちょっかいかけられても面倒だろうし飲み物を受け取るまで付き添うぜ」

2人は売店までの道のりを歩きながら、他愛もない雑談をかわす。

「それにしても、1人で南国とはめずらしいな?」

「...少し考え事をしたかったんです。自分の行いは正しいのかどうか」

「...大変そうだな」

2人の間に沈黙が流れる。

「...よく分かんねぇけど、自分のしたいことをすればいいんじゃねえか?」

「したい事、ですか?」

「ああ。正しさなんて誰も決められねえ。けどやりたいことは、少なくとも自分にならハッキリと分かるだろ」

しばらく考え込んだ後、ライは口を開いた。

「それもいいかもしれませんね。色々考えてみる事にします。それより売店に着きましたよ、どれがいいですか?」

「そうだなぁ...」

そうしてガルーは自分とバーネットの分の飲み物を受け取るとライに別れを告げ、持ち場に戻った。

そしてその日は何事もなく1日が終わった。


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