【安価・コンマ 】ロボットのパイロットとして生きる【オリジナル】
1- 20
323:名無しNIPPER[saga]
2021/10/30(土) 19:54:04.00 ID:xDV0gLOg0
ライに促され、ガーディアンオブエデンと共に乾燥した荒野を進む。数時間移動すると、周囲が見渡せる台地に到着した。

「東の方向、丘に囲まれた場所が見えるかな?」

ゼウスに従いそちらに視線をやると、いくつか施設が見えた。拡大してみるとどうやらメルクリウスの採掘地のようだ。

「ただのメルクリウス採掘地じゃないよ。よく見てごらん」

言われた通りに更にズームしてみるとより詳しい様子が見えた。

メルクリウスの採掘地にしてはやけに施設や設備が少ない。どうやらそれを補っているのは労働者達のようだ。勿論機械化されていないメルクリウス採掘地はあるにはある。だがここは──

「嘘でしょ...」

そこで働いてるのは、というよりはむしろ働かされているのは老人や女性、中にはエヴァと変わらないくらいの子供もいる。当然児童労働はレアドでも違法だ。その上皆痩せ干せっており、どう見ても労働環境は劣悪だ。

「あそこで採掘しているのはデームロファミリーと呼ばれるマフィアだ。親のいない子供や借金で首が回らなくなった債務者を引っ張ってきては強制的に労働させている」

カズミは目の前の光景に衝撃を受けていた。年端も行かない子供たちがみすぼらしい格好で、武器を持った大人たちに脅されながら働かされている。

「だが不思議には思わないかい?たかが一介のマフィアがどうしてメルクリウスを採掘できる技術を持っているのか?それに何故レアド王国、つまりは大企業たちのことだが、これを見逃しているのか」

答えは簡単だ、とゼウスは言った。表情は見えず聞こえてくるのは皮肉な調子の声だけだ。

「それは彼らがメルクリウスを、表の市場よりもはるかに安価に販売してくれるからだよ。そしてレアドは犯罪組織から購入したメルクリウスを更に他国家へ輸出し、儲けを得る」

カズミは国家間の駆け引きや複雑な事情を考えるのは得意ではないが、それでも分かる。彼らは悪だ。

「これで分かってくれたかな?メルクリウスがもたらすものはどこまでいっても害悪のみだ。これから我々は無垢なる労働者たちを解放し、2度とメルクリウスが採掘できないようにあの地点を破壊する。お嬢さんも、手伝ってくれるかい?」

↓1
1手伝う
2手伝わない


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
957Res/497.97 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice